ラット膀胱虚血・再還流モデルにおける膀胱平滑筋細胞の形態学的Phenotypeと膀胱機能の検討

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  • Changes in smooth muscle cell phenotype and contractile function following ischemia-reperfusion injury in the rat urinary bladder

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目的:下部尿路閉塞による膀胱機能低下には膀胱虚血・再還流が一要因であるという報告が増加している。今回, ラット膀胱虚血・再還流モデルを用いて膀胱平滑筋細胞における形態学的phenotypeの変化と膀胱機能の関係を検討した。方法:28匹のSD雄ラットを用いて膀胱虚血・再還流(I-R)モデルを作製し, 1時間虚血単独群, 1時間虚血・1時間再還流群, 1時間虚血・4時間再還流群, コントロール群に分類し, 透過型電子顕微鏡による膀胱平滑筋細胞におけるphenotypeの比率および経壁電気刺激とKClに対する等尺性収縮力を測定し, 検討を行った。結果:コントロールにおける膀胱平滑筋細胞の収縮型と非収縮型の比率(nc/c比)は0.169, 虚血単独群はnc/c比は0.991, 1時間I-R群, 4時間I-Rのnc/c比はそれぞれ0.865, 1.601であった。経壁電気刺激とKClに対する等尺性収縮力はI-R群で減少していた。考察:膀胱平滑筋細胞のnc/c比の結果より虚血単独群でも, 非収縮型細胞が増加し, I-Rによりさらに非収縮型細胞が増加することが示された。膀胱平滑筋収縮力は虚血単独群でもI-R群でも減少したが, 収縮反応は膀胱平滑筋細胞のphenotypeの変化とは対応しなかった。(著者抄録)

収録刊行物

  • 泌尿器科紀要

    泌尿器科紀要 54 (3), 179-184, 2008-03

    泌尿器科紀要刊行会

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