腎癌の多発転移に対して機能温存的治療で長期の生命予後を保ちえた2例

HANDLE オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Long-term survival in patients with metastatic renal cell carcinoma managed with conservative therapy : a report of two cases

この論文をさがす

抄録

症例1:58歳男.人間ドックで左腎腫瘍を指摘され, 経腹的根治的左腎摘除術を施行した.術後12年目に左肺底部結節影の増大傾向を認めたため, 胸腔鏡下左肺下葉部分切除術を施行した.病理結果はClear cell carcinomaで, 左腎癌の転移と診断された.約5ヵ月後, 頭頂葉転移を認め, 腫瘍からの出血による脳ヘルニアを来たし, 開頭血腫除去及び腫瘍摘出術を施行した.更にその後, 左前頭葉と左後頭葉に新たな転移巣を認めγナイフを施行した.現在著変なく生存中である.症例2:53歳男.右腎腫瘍であり, 経腹的根治的右腎摘除術を施行した.病理結果はRenal cell carcinomaであった.術後9年目に第4~7胸椎骨転移を認め放射線照射を施行し, その後の約3年間に左第5肋骨, 傍大動脈リンパ節, 仙骨, 胸骨の転移巣に対し放射線照射を行い, 更に左乳房下の皮膚及び左側胸部皮膚の転移巣に対し外科的切除を行った.照射により骨転移の痛みはいずれも改善し, リンパ節転移については縮小効果認めた

収録刊行物

  • 泌尿器科紀要

    泌尿器科紀要 50 (9), 621-624, 2004-09

    泌尿器科紀要刊行会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ