深泥池における水・熱収支に関する研究

HANDLE オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Water and Energy Balance of the Mizoro-ga-ike Pond

この論文をさがす

抄録

京都市の深泥池には,高層湿原の浮島が存在し,動植物の希少種が豊富であるためその生物群集全体が天然記念物に指定されている。しかし,集水域の開発による涵養水減少や富栄養化の進行が保全上の問題となっている。深泥池にとっての健全な水環境を維持するためには,現在の深泥池の水・熱循環を知るとともに集水域面積や植生様式が変化した場合の水・物質収支を予測する必要がある。そこで本研究では,深泥池の富栄養化過程を伴う植生様式の変化を航空写真の画像解析によって明らかにした上で,浮島や抽水植物の植生別面積を考慮した水・熱循環の特性を現地観測によって明らかにした。その結果,浮島の存在が水温変動を緩和する効果を有していることが明らかとなった。これは,浮島が1年を通しての浮沈運動に伴って熱容量を変化させる,という性質を有することに起因すると考えられた。また,池からの蒸発散量が植生割合の変化に伴って変化することが分かった。その結果,過去と比較して現在は,池からの蒸発散量が減少している可能性があることが示された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050282676914063488
  • NII書誌ID
    AN00027784
  • ISSN
    0386412X
  • HANDLE
    2433/73273
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • IRDB

問題の指摘

ページトップへ