女児尿道ポリープの1例

HANDLE Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Urethral polyp in a young girl: a case report

この論文をさがす

抄録

症例は12歳, 女児。生来健康。約1年前より外尿道口から脱出する腫瘤に気付くも症状なく放置していた。2005年10月に外陰部より突然の出血を認めたため, 近医を受診。外尿道口より脱出する小指頭大のポリープを認め, 同年10月31日, 精査加療目的に当院紹介となった。受診時, 他に理学所見上, 特に異常認めず, また尿沈渣, 血液学的検査, エコー, IVPなどにおいても異常所見を認めなかった。同年11月10日全身麻酔下, 尿道膀胱鏡および尿道ポリープ切除術を施行した。尿道鏡にて前部尿道の6時にポリープの起始部を認めた。膀胱内に特に異常所見は認めなかった。起始部からポリープを鋭的に切除し, 欠損部を5-0 PDSにて縫合した。術後経過は良好で術後1日目に尿道カテーテル抜去, 2日目に退院となった。病理組織学的検査にて尿道ポリープは移行上皮および扁平上皮に覆われ, 上皮下組織に小血管の増生と著明な炎症細胞の浸潤を認め, 尿道カルンクラに非常に類似していた。腫瘍性変化や異型細胞の増殖は認めなかった。現在, 術後1年が経過しているが, 再発, 合併症など認めていない。小児における尿道ポリープは稀な疾患であるが, 男児に比べ女児における報告はさらに少ない。われわれが調べうる限り12例の女児尿道ポリープが報告されている。またBen-Meirらは思春期前の女児尿道ポリープの5症例を検討し, 病理組織学的に尿道カルンクラとの類似性を指摘している。今回, われわれは女児尿道ポリープの1例を経験したので若干の文献的考察を加え, ここに報告する。(著者抄録)

収録刊行物

  • 泌尿器科紀要

    泌尿器科紀要 53 (9), 657-659, 2007-09

    泌尿器科紀要刊行会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ