1. 反磁性ケプラー運動における回帰性軌道(recurrent orbit)の量子化(基研短期研究会報告「非可積分系の量子力学」,研究会報告)

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最近の磁場中水素原子に対する光吸収実験によれば,イオン化しきい値附近に数値の準ランダウ共鳴線が認められ,これは磁場方向(z-)軸を切る回数によって分類される周期的軌道・量子準位への光励起である。これに関する簡単なモデルは,2自由度非分離ハミルトニアンH=1/2(p^2_p+p^2_x)+(r^2)/8p^2-1/√<p^2+z^2>の適当な近似(1/√<p^2+z^2>=1/(|zl))である調和振動子と1次元ケプラー運動とのなす2次元周期運動として理解される。(これらの軌道はr=0から出発し|rl~10^2a_Bの軌道を画いて再びr=0に回帰するという意味でrecurrent軌道と名付けられている)この事実は典型的な量子カオスである反磁性ケプラー運動のイオン化近傍不規則準位中に周期軌道による規則性が含まれているととを示している。この規則性がRunge-Lenzベクトルのz-成分A_x=const.として表される可能性を示し,これに基く量子化のモデルを議論する。

Journal

  • 物性研究

    物性研究 49 (5), 453-462, 1988-02-20

    物性研究刊行会

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