男性不妊外来で発見された停留精巣術後発生セミノーマの1例

書誌事項

タイトル別名
  • Testicular tumor detected in a male infertility patient with prior orchiopexy
  • ダンセイ フニン ガイライ デ ハッケンサレタ テイリュウ セイソウ ジュツゴ ハッセイ セミノーマ ノ 1レイ

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説明

37歳男。5歳時に両側停留精巣に対し精巣固定術を施行した。挙児希望のため妻と産婦人科を受診し、高度乏精子症を指摘され当科紹介受診した。MRIより左精巣腫瘍と診断し、当院産婦人科で精子凍結保存を施行した。腫瘍マーカーはAFP1.9ng/mlであったがβ-HCG 0.2ng/mlは軽度の高値を示した。左高位精巣摘除術を施行し、病理組織学的所見は白膜内に限局した腫瘍は淡明な胞体を有する細胞が胞巣状に増殖し、間質にはリンパ球の浸潤を伴うseminoma、pure formの所見で脈管侵襲像は認めなかった。周囲精管内に精子形成像はなく一部にcarcinoma in situ(CIS)細胞を認めた。術後17日目のβ-HCGは不変であったが、CTではリンパ節腫大や遠隔転移は認めずpT1N0M0と診断した。術後 10ヵ月の精液量3ml、3000/ml、運動率0%で血中ホルモン値FSHは術前の2倍に増加したがtestosteron値の変化は無く凍結精子を用いた顕微受精を施行中であった。術後12ヵ月を経て対側精巣を含め再発は認めなかった。

収録刊行物

  • 泌尿器科紀要

    泌尿器科紀要 55 (2), 103-106, 2009-02

    泌尿器科紀要刊行会

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