ビームスプリッターを用いた量子論理ゲートの一考察(第8回「非平衡系の統計物理」シンポジウム,研究会報告)

書誌事項

タイトル別名
  • Amplifier Process using Beam Spliter and Quantum Logical Gate(The 8th Symposium on Non-Equilibrium Statisitical Physics)
  • ビームスプリッターを用いた量子論理ゲートの一考察
  • ビームスプリッター オ モチイタ リョウシ ロンリ ゲート ノ 1 コウサツ

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抄録

今世紀になり,コンピュータが発明されてから,その計算能力は日々の技術力向上により飛躍的に伸びてきているが,そのコンピュータにもいくつかの問題点がある.コンピュータの小型化に伴う動作原理の量子化記述や,コンピュータを構成している最小のデバイスであるゲートの情報が損失されていること等である.これらの問題を解決するものとして量子コンピュータというものが考案された[4,12]. 1994年にはShorによる因数分解のアルゴリズムの発見により[39],量子アルゴリズムの研究も盛んになった.その後,1999年にOhya,VolovichによってNP完全問題が多項式時間で解けることが量子カオスの研究をベースとして証明された[35].このように量子コンピュータに関する研究は盛んになってきている[2,8,9,10,11,13,14,15,16,18,22,23,24,25,26,27,28,36,37,38,39,41].現在のコンピュータの基礎となるゲートにおいて,Landauerは情報の損失は計算過程において不要な情報を消去したことによると考え[20], E.FredkinやT.Toffoliは,この不要な情報をゲート内で削除しないでそのまま出力する論理ゲート,Fredkin-Toffoliゲートを考案した[17].さらにMilburnは,このFredkin-Toffoliゲートの光学的モデルを研究し,光Fredkin-Toffoli-Milburnゲートを考案した[29].本論文では,これらの研究をベースとして,一般化されたビームスプリッターの様々な機能を定式化し,それを用いた量子論理ゲートの実現について考察をする.

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。

収録刊行物

  • 物性研究

    物性研究 75 (5), 996-1021, 2001-02-20

    物性研究刊行会

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