連邦から見たポリスのアウトノミア--ボイオティア連邦の分析を通じて

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タイトル別名
  • The Boeotian Confederacy and the Autonomia of the Greek Polis
  • レンポウ カラ ミタ ポリス ノ アウトノミア ボイオティア レンポウ ノ ブンセキ オ ツウジテ

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抄録

本稿の目的は, 古代ギリシアにおいて, 研究史上「自治」や「独立」の意味が想定されているポリスのアウトノミア概念の意味するところとその変遷を, 連邦を通して明らかにすることである。特に, ボイオティア連邦の形成から解体までの歴史全体を対象として, アウトノミアに関係する事例を抽出し, この概念の適用如何およびその意味を分析した。その結果, 当初ポリス間の関係を示す語ではなかったアウトノミアが, ペロポンネソス戦争前後の「独立」と「自治」の意味の対立を経て, 「大王の和約」を契機に「独立」の意味が確立したこと, しかし「普遍平和」条約の中で「独立」の意味が次第に有名無実化していき, コリントス条約で「自治」へと意味が変化したことを明らかにした。これは, 矛盾をきたしていた先行研究を整合的に解釈した新しい見解である。さらに, アウトノミアが認められる, 或いは侵害される状況から, より強い政治勢力がアウトノミアの示す状態を保障し, 或いは侵害するという構図を導き出した。

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