障害者雇用施策とその課題

書誌事項

タイトル別名
  • ショウガイシャ コヨウ シサク ト ソノ カダイ
  • ショウガイシャ コヨウ セサク ト ソノ カダイ
  • Measures and Problems Related to Employment Politics for Persons with Disabilities

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説明

1 はじめに : 障害のある人が、障害のない一般の労働者と同様に職を得て働き、経済的に自立することは、その個人にとっても社会にとっても望ましいことである。社会にとっては障害のある人が雇用され経済的価値を生み出すことが経済効率的なのである。しかし、個別企業にとっては、障害のある人を雇用することが経済合理的であるかどうかが重要であり、企業は市場経済競争に勝利し企業利益に大きく貢献する有能な人材を雇用しようとする。企業が市場経済競争の中で営利活動をしている限り、企業は競争優位を確保して持続的に発展するためには、高度な専門的知識や技能などのコンピテンシー(competency)を有する人が必要なのである。しかし、障害のある人に対する差別や偏見などの社会的バリアがあり、さらに労働市場でも障害者差別がある中で、市場原理に委ねていては、障害のある人の一般民間企業での雇用は進展しない。そこで各国とも障害者雇用を促進するために様々な施策を行っているのである。わが国では、障害者の雇用の促進等に関する法律(以下、障害者雇用促進法と表す)によって割当雇用制度と納付金制度を中心に障害者雇用を促進してきている。……

The main factors regarding the Law of Promoting the Employment of Persons with Disabilities in Japan include vocational rehabilitation, employment quotas, and levies. However many companies have not attained the obligated quota as applicable to private companies with regard to employing people with disabilities. The United Nations Convention on the Rights of Persons with Disabilities was adopted by the United Nations General Assembly on December 13, 2006, and was ratified by 20 countries; it came into force on May 3, 2008. If Japan ratifies the treaty, it is believed that it will influence employment policies for people with disabilities in Japan. Therefore in this paper, I will discuss employment policies for people with disabilities and the problems related to it; futher, I will elucidate on the conditions of inclusion with which persons with disabilities work together in integrated workplaces.

収録刊行物

  • 経営研究

    経営研究 61 (1), 1-23, 2010-05

    大阪市立大学経営学会

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