日本における人口資質概念の展開と社会政策 : 戦前から戦後へ

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  • ニホン ニ オケル ジンコウ シシツ ガイネン ノ テンカイ ト シャカイ セイサク : センゼン カラ センゴ ヘ
  • ニホン ニオケル ジンコウ シシツ ガイネン ノ テンカイ ト シャカイ セイサク センゼン カラ センゴ エ
  • A Historical Study on the Concept of "Quality of Population" in Japan

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1 はじめに : 人口問題には, <量>と<質>の側面がある。<量>は「世界の」「日本の」といった何等かの指標で区切った人間集団の大きさ=人口の規模を, <質>はその区切られた人間集団の「男女比」や「年齢別構成」といった内容=構造や構成を意味するのが一般的である。しかしながら, 歴史的にいえば性別, 年齢別構成といった広義の<質>よりも, 個体の健康や知能の程度といった先天的資質や体力, 社会的能力といった指標からみた狭義の<質>に引きつけて人口問題が議論された時期がある。それは, 優生思想の興隆と対応している。優生学は命や生に優劣をつける思想である。それは, 本人の意思を伴わない不妊手術=強制不妊手術の肯定といった事態を招いたりした。その一方で, 「遺伝か環境か」をめぐる議論が生じ, 環境の方へと傾斜をみるかたちで人々の労働=生活過程にかかわる社会政策の発展に寄与することにもなった。……

Journal

  • 経済学雑誌

    経済学雑誌 116 (2), 59-81, 2015-09

    大阪市立大学経済学会

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