東南アジア陶磁器交易と貿易船の関係 : 空間情報学の視点で探る

書誌事項

タイトル別名
  • トウナン アジア トウジキ コウエキ ト ボウエキセン ノ カンケイ クウカン ジョウホウガク ノ シテン デ サグル
  • Maritime Trade in Southeast Asian Ceramics : The Geoinformatics Approach

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抄録

日本各地の遺跡で発掘された15~18世紀のタイ産及びベトナム産の陶磁器, 及びベトナムの日本町ホイアンで発見された日本産の陶磁器に注目する。この資料に暹羅国と琉球間における琉球船交易, 暹羅国・東京・交趾・安南国と日本間の朱印船交易を重ね合わせることにより, 海上ルートに着目した陶磁器の東南アジア交易を検証・考察する。このために時間軸を考慮した交易の事象が表現できる陶磁器交易モデルを提案し, 空間情報学の視点から, このモデルをベースにした陶磁器交易の分析及び考察を行う。空間情報学の中心は, GIS(地理情報システム)である。GIS技術は, 分析の対象となるオプジェクトに位置情報と時間情報を加え, 地図上に写像する。すなわち個別の事物・事象を空間情報として捉え, 写像するところに大きな特徴がある。こうしたGIS技術を歴史研究に応用することによって, 研究の過程で新たなアプローチや知見を得る機会を生む。本論考では海上ルートによる東南アジア産陶磁器を空間情報学の視点から分析を試みるものである。また, 陶磁器交易に関する資料群を地図上に写像し, 分析するために新たに開発した時空間可視化システムe-TimeMapについて述べる。

収録刊行物

  • 経済学雑誌

    経済学雑誌 107 (3), 22-34, 2006-12

    大阪市立大学経済学会

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