資本使用の拡張と経済成長

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タイトル別名
  • シホン シヨウ ノ カクチョウ ト ケイザイ セイチョウ
  • Capital widening and economic growth

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抄録

この論文では, いくつかのオペレーションからなる生産工程において, 各オペレーションでは物的資本もしくは労働が投入される場合を考慮する。資本と労働の生産要素に関して, 企業はそれらの投入量のみならず使用範囲を決定する。あるオペレーションにおいて, 投入が労働から資本へ置き換えられるとき, 機械化の調整のために資本使用の効率性は落ちるとする。この効率性の低下が学習効果とそのスピルオーバーによって一時的なものであれば, 成長の二極化が起こり得る。初期資本が低ければ成長の罠に陥ってしまい, 閾値よりも高ければ長期成長が達成できる。また, 資本の使用範囲の拡張, つまり, オペレーションの機械化が比較的容易であれば, たとえ初期資本が低くても, 長期成長が可能であることを示す。

収録刊行物

  • 経済学雑誌

    経済学雑誌 107 (2), 1-18, 2006-09

    大阪市立大学経済学会

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