退職決定・年金システムおよび黄金律 : はたして定年制度は必要か

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タイトル別名
  • タイショク ケッテイ ネンキン システム オヨビ オウゴン リツ ハタシテ テイネン セイド ワ ヒツヨウ カ
  • テイネン ケッテイ ネンキン システム オヨビ オウゴンリツ ハタシテ テイネン セイド ワ ヒツヨウ カ
  • Retirament Diecision Pension System and Golden Rule : Is a Retirement System Necessity Sure Enough for Us?

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抄録

本稿ではMichel and Pestieau[1999]の提示したモデルを用いて, 経済厚生を最大とするような年金改革についての考察を行う。Michel and Pestieau[1999]では経済厚生を最大にするために, 政府は年金負担率に加えて老年期の労働供給を政策変数として扱う必要があることが示されている。これに対して, 本稿では働く老年世代に対しても年金負担を強いるか否か, また年金給付を働く老年世代に対しても行うかどうかによる4つの年金システムを提示する。その結果得られた結論は, 年金給付を老年期における労働の有無に関係なく給付し, その財源を若年世代にのみに課すような年金システムのもとでは, 政府が適切な年金負担率を設定しさえすれば, 経済厚生を最大にすることができる, というものである。つまり, Michel and Pestieau[1999]が提示した結論とは異なり, 年金負担率さえ調整すれば政府が強制的に退職年齢を設定しなくても家計の自発的な退職決定の結果, 資本と老年期の労働供給を同時に黄金率の水準へ誘導することができるのである。

収録刊行物

  • 経済学雑誌

    経済学雑誌 105 (4), 88-103, 2005-03

    大阪市立大学経済学会

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