学童の日常摂取食餌とその蛋白価について

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タイトル別名
  • ガクドウ ノ ニチジョウ セッシュ ショクジ ト ソノ タンパクカ ニツイテ
  • A NOTE ON THE DIETARY HABITS AND ITS PROTEIN SCORE OF THE SCHOOL CHILDREN IN THE CITY

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抄録

1959年9月初旬, 中都市在住中産階級家庭の小学校6年生(男子18名, 女子19名, 平均年令12.1才)を対象として食餌調査を行いつぎの成績をえた。 / 1. 対象児童の平均1日食餌摂取量は熱量男子2263Cal, 女子1929Cal, また蛋白質, 男子73.2g(2.1g/kg), 動物性40.4%, 女子68.7g(2.1g/kg), 動物性46.3%であり, これは女子の蛋白量をのぞけばいずれもほぼ所要量をみたしている。他方カルシウム, ビタミンA, Cおよびナイアシンの摂取量はかなり不足していた。 / 2. 学校給食量の1日全食餌量に対する比率は, 熱量で約25%, 蛋白で約30%となり, ほぼ適正な量と判定された。また給食は, 粉乳によるトリプトファン, あるいは強化によるB., B2の供給に重要な役割を果していることが分った。 / 3. 蛋白の質について検討すると, 動物性比率は40~50%にも達するにかかわらず, その蛋白価は72~78(制限アミノ酸はトリプトファン)で, 動物性比率の高い割にトリプトファン量比の増加は不充分であった。 / 4. そこで従来の調査成績をふくめた48例について食餌中の動物性食品比率と必須アミノ酸組成との関係を検討すると, 含硫アミノ酸, ことにリジンの含有比は動物性蛋白比率とよく一致した変動を示し, 両者の間に高い順相関々係がみられたが, トリプトファン含有比は動物性蛋白比率に大きく左右されない。その理由は学童の摂取する動物性食品がおもに魚肉, ついで獣肉によっており, 鶏卵, 乳製品使用が依然として少量にとどまるためであることが分った。この事実はわが国成長期学童の栄養改善を考える上に一つの示唆を与えるものであろう。

The survey of the dietary habits was made on the urban school children (average years, 12.1) in summer, 1959. The daily caloric and protein intakes of these children were estimated to be about 2360 Cal and 73 g (2.1 g per kg) in boys, and about 1930 Cal and 69 g (2.1 g per kg) in girls. The average ratio of the animal protein to total protein amounted to be 40.1% in boys and 46.3% in girls. Though the sufficient intake of animal protein, the protein score was no more than 78 (limiting amino acid, tryptophan).

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