日本における高齢者雇用対策の一考察 : 氏原正治郎の所説を中心に

書誌事項

タイトル別名
  • ニホン ニ オケル コウレイシャ コヨウ タイサク ノ イチ コウサツ : シ ゲン セイチロウ ノ ショセツ オ チュウシン ニ
  • ニホン ニオケル コウレイシャ コヨウ タイサク ノ イチコウサツ ウジハラ ショウジロウ ノ ショセツ オ チュウシン ニ
  • A Note on the Employment Policies for the Older Workers in Japan : Focusing on Shojiro Ujihara

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抄録

1. はじめに : 2004年の高年齢者雇用安定法の改正において, 65歳までの雇用確保措置の義務化が実現した。希望者全員の雇用延長に至っていないなど取り組まなければならない課題が残されているものの, 同法の改正を足がかりとしてわが国の高齢者雇用対策は新たな段階へと移行するのではないか。60歳定年法制化以後, 60歳台前半層が労働政策に組み込まれていったという推移をみると, 今後高齢者雇用対策の対象となる範囲はさらに拡大し, 60歳台後半層もその一環として捉えられるようになることを予測できるからである。すでに, 高齢・障害者雇用支援機構が「70歳まで働ける企業」を目標として打ち出したことから, その萌芽を見出せる。60歳台後半層を雇用対策として把握しようとする上記のような流れに対して, 検討しなければならない問題点をあえて指摘しておくと, この年齢層に対する施策は福祉政策に分類されてきたこと, そして60歳台前半層と比較すると体力などの個々人の差異が一層大きくなる, ということなどが挙げられる。これまでの高齢者雇用対策は, 「企業」を中心とした整備が優先されてきたといえる。しかし, 今後の高齢者雇用のあり方を考える場合, 「福祉」的領域との関わりを改めて模索することも必要となるのではないか。……

収録刊行物

  • 経済学雑誌

    経済学雑誌 112 (4), 53-71, 2012-03

    大阪市立大学経済学会

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