書誌事項
- タイトル別名
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- いわゆる刑法39条廃止論について--ノーマライゼーション社会における責任能力概念小論
- イワユル ケイホウ 39ジョウ ハイシロン ニ ツイテ ノーマライゼーション シャカイ ニ オケル セキニン ノウリョク ガイネン ショウロン
- <Articles>Uber den Abolitionismus des §39 StGB: Schuldfahigkeit in Normalisation-Gesellschaft
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説明
[要約] 刑事司法において触法精神障害者は刑法§39によってその責任が必要的に阻却されもしくは減軽されるが起訴前(簡易)精神鑑定の多用によって実質的に刑事裁判を受けることなく刑事司法から取り除かれることが多い。不起訴処分もしくは心神喪失による無罪判決を受けた触法精神障害者は精神保健福祉法による入院措置の対象となるが,その機能は十全に発揮しているとは言いがたく今般の医療観察法の制定の一動因となった。精神科医療サービスは脱施設化と地域化を核に置いたノーマライゼーションの段階にあり,精神障害者に非精神障害者と同等の社会的位置づけを認める方向にあるが,それは必ずしも同等の義務を課するものとはいえない。矯正施設における精神科医療サービスはニーズに応じた適切なレベルに達しないおそれがあり,医療観察法の導入によってその状況が悪化する懸念を否定できない。§39の機能不全の状況およびその前提としている責任能力概念による精神障害者差別の構造をかんがみると§39の削除を求める見解は説得力がある。しかし精神障害者を非精神障害者と同等に処罰・処遇することは必ずしも適切でない。
収録刊行物
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- 近畿大學法學
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近畿大學法學 53 (2), 504-440, 2005-11-01
近畿大学法学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050282677522175488
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- NII論文ID
- 110005000319
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- NII書誌ID
- AN10144398
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- ISSN
- 09164537
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- NDL書誌ID
- 7799109
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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