〈原著〉頭頸部癌患者における放射線性顎骨壊死に関する臨床的検討
書誌事項
- タイトル別名
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- Clinical analys is of osteoradionecrosis of head and neck cancer patients
説明
[抄録]頭頸部癌に対し放射線治療を施行した206例を対象に,放射線性顎骨壊死をきたした症例を検討し,かつ放射線性下顎骨壊死の治療で新しい知見を得た1例について検討した.評価項目は,⑴放射線性顎骨壊死の発症率と発症起因について,⑵顎骨壊死をきたした群(顎骨壊死群)と顎骨壊死をきたさなかった群(非壊死群)とで統計的比較検討を行った.放射線性顎骨壊死症例は19例で,発症率は9.2%であった.顎骨壊死19例の原発部位は,口腔癌が半数を占めていた.放射線治療から顎骨壊死発生までの期間は,平均33.3か月(2~96か月)であった.顎骨壊死症例19例中18例が照射線量60Gy以上であった.顎骨壊死をきたす起因は,放射線治療後の抜歯,歯周組織炎などの歯科的起因が全体の6 3%を占めていた.唾液腺癌では,非壊死群と比較し,顎骨壊死群の比率が有意に高かった.照射線量別では,顎骨壊死群と非壊死群とで有意差はなかった.放射線性顎骨壊死の予防策として,放射線治療前の歯科的治療の介入が重要と考えた.新知見では,6 7歳,女性,MRSA感染を伴う放射線性下顎骨壊死をきたした1例に対し,整形外科領域で有用とされる抗菌薬含有骨セメントスペーサーを用いた治療によって局所感染を制御し,二期的にプレート再建を行い,良好な結果が得られた.MRSA感染を伴う放射線性下顎骨壊死に対する抗菌薬含有骨セメントスペーサーは,感染制御に有用な治療方法の1つになり得ると考えられた.
収録刊行物
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- 近畿大学医学雑誌
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近畿大学医学雑誌 41 (3-4), 77-84, 2016-12-20
近畿大学医学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050282677534612224
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- NII論文ID
- 120006360909
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- ISSN
- 03858367
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles