薬物使用経験を「わかる」の3基盤 : 「矯正教育プログラム(薬物非行)」の質的分析

書誌事項

タイトル別名
  • Three Bases of "Understanding" Drug Use Experiences : A Qualitative Assessment of "The Corrective Education Program on Drug-Related Delinquency"
  • ヤクブツ シヨウ ケイケン オ 「 ワカル 」 ノ 3 キバン : 「 キョウセイ キョウイク プログラム(ヤクブツ ヒコウ)」 ノ シツテキ ブンセキ

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説明

薬物依存者は、薬物への渇望に対応するという問題にくわえて、周囲の人間にそのつらさをわかってもらえないという悩みもかかえている。だが、薬物からの離脱の取り組みにおいては、渇望感や使用経験を率直に話すということが必要となる。ある女子少年院におけるプログラム(「矯正教育プログラム(薬物非行)」)において、参加者たちは、受講少年が話しやすいグループづくりに取り組んでいた。受講少年は、自身と同じ悩みや苦しみをほかの受講少年もしてきたことを見いだして共感し、わかってもらえると感じていた。その一方、薬物使用経験がない指導者たちは、独自のアプローチを見せた。薬物依存の指導経験が豊富な臨床心理士は、専門家ならではの表現や見方を提示し、少年の自己理解を助けようとしていた。少年院教官は、嗜好品断ちをして少年の気持ちを理解しようとしたり、一般人の見方をあえてぶつけたりしていた。これらを、薬物使用経験を「わかる」の3基盤として整理した。グループづくりは成功し、受講少年は積極的にプログラムに取り組んだ。断薬への決意を固め、そのための知識を習得した。薬物依存経験が共通している少年たちを集めて実施したプログラムは成功裏に終わった。

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