住民による小地域福祉活動と地域自治 : 松本市笹賀地区の活動をとおして

書誌事項

タイトル別名
  • ジュウミン ニ ヨル ショウチイキ フクシ カツドウ ト チイキ ジチ マツモトシ ササガチク ノ カツドウ オ トオシテ
  • The Community-Based Services in Small Area and Regional Autonomy : Through the Activities in Sasaga District in Matsumoto City

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説明

少子高齢化の進行・地域社会の変化のなかで、地域住民による「新たな支え合い」「新たな公」が注目されている。基本的な福祉ニーズは公的な福祉サービスで対応するという原則をふまえつつ、生活ニーズの早期発見、公的サービスでは担えない日常生活に対する支援、公的専門的サービスへの橋渡し、災害時や緊急時の対応など、住民の果たす役割は大きい。本稿では、住民のもっとも身近な自治会・町内会などの住民自治組織の圏域において実施される「小地域福祉活動」について、松本市笹賀地区の活動事例をとおして考察する。笹賀地区二美町2丁目の「小地域福祉活動」は、高齢者会食会や子育てサークルをはじめとしてさまざまなサークル活動や交流活動と防災活動を展開している。そこでは、特定の人のための福祉活動ではなく町会ぐるみのまちづくりがすすめられている。自治会レベルの圏域を「小地域」として住民の地域福祉活動の実践基礎単位と捉えた場合、小地域福祉活動の推進は、住民自治に基づく「まちづくり」活動と連動することによって、住民主体の地域自治の実現につながると考えられる。市町村合併により広域化する市では、地方都市であっても市全域の住民自治の力を培うということは難しく、地区レベルや小地域での地域自治に着目し、発展させていく必要がある。そして、重層的な圏域での地域自治の積み重ねによって市町村の自治能力が高められるということを提起する。

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