現代日本での法螺貝の響き : 上越市と能生地区での調査

書誌事項

タイトル別名
  • Sounding the Conch Horn, Hora-gai in Modern Japanese Life : A Survey in Joetsu City and Nou Town (Northern Japan)

この論文をさがす

抄録

法螺貝吹奏は、現代日本の生活では遠い昔の情報伝達手段と思われるが、1970年ぐらいまで新潟県上越市では、伝達手段として日常的に用いられていた。伝達内容はさまざまで、農休日、祭り、冠婚葬祭などである。法螺貝は、清里区の無量寺では「お取越し行事のお知らせ」で、また様々な地域で行われる「さいのかみのお知らせ」で、清里区梨平では結婚式で、三和区では葬式のお知らせで、使用されていた。三和では、現在も様々な意志伝達に法螺貝が用いられている。糸魚川市の能生では、白山神社の春季大祭で楽器として用いられている。本研究では、法螺貝はコミュニケーションの手段として、あるいは楽器として今も用いられ続けていることが確認された。情報伝達技術の進んだ現代にこそ、伝統的な法螺貝吹奏による連絡法の利点は見直されてよい。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ