公共投資効果は変化したか? : ベイズ推定を用いたマルコフ転換VAR モデルによる検証

書誌事項

タイトル別名
  • コウキョウ トウシ コウカ ワ ヘンカ シタ カ? : ベイズ スイテイ オ モチイタ マルコフ テンカン VAR モデル ニ ヨル ケンショウ
  • Where is the structural break? : analysing the effects of fiscal policy in Japan using a Markov switching model

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抄録

本論文は日本の公共投資のoutput に対する効果の変化について,統計学的な観点から検証する.本研究はモデルの構造変化時点をデータから推定したという点に先行研究とは異なる特徴をもつ.日本の総需要拡張対策としての財政政策の効果は1990 年代初めの資産バブル崩壊以降,小さくなったと結論付ける先行研究が多く存在する.これらの実証研究の問題点として財政政策の効果の構造変化時点を研究者が自らの主観に基づいて先験的にモデルに与えている点が挙げられる.本論文ではInoue and Okimoto(2008)を参考にMCMC(Markov Chain Monte Carlo)法の一つであるGibss-Sampler という手法を用い,マルコフ転換VAR モデルをベイズ推定し,日本の財政政策による総需要拡張政策の効果の構造変化時点が1993 年であることを明らかにした.またこの構造変化時点の以前と以降で日本の公共投資のoutput に対する効果が小さくなった事が推計結果から確認された.

収録刊行物

  • エコノミア

    エコノミア 65 (1), 33-46, 2014-05-30

    横浜経済学会

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