葉山佐内の思想に関する一考察―「思想家」吉田松陰誕生前史

書誌事項

タイトル別名
  • A Study on the Thought of HAYAMA, Sanai : The Prehistory of the Birth of YOSHIDA, Shoin as the “Thinker”
  • ハ ヤマサ ナイ ノ シソウ ニ カンスル イチ コウサツ : 「 シソウカ 」 ヨシダ ショウイン タンジョウ ゼンシ

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抄録

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本稿は、幕末の海防論者であり、陽明学者である平戸藩士葉山佐内の思想について分析するとともに、その思想の吉田松陰への影響について論じたものである。著者は、海防論、対外観、陽明学(王陽明および大塩平八郎)に視点を置いて佐内の思想を見るとともに、「西洋兵学への開眼」、「対外観の変化」、「民政の重視」、「陽明学との邂逅」の四点について、佐内の思想が松陰に与えた影響について論じている。これまで、平戸留学が吉田松陰の思想に大きな影響を及ぼしたということはしばしば論じられたきたが、葉山佐内との関係性において論じられたものはほとんどなく、佐内自体の研究も極めて少なかった。本稿は、佐内の思想の持つ合理性、脱中華思想性、平等性を論証するとともに、この思想を受容することによって、松陰が単なる伝統的兵学者から「思想家」へと脱皮したことを明らかにした。

収録刊行物

  • 法学新報

    法学新報 121 (9・10), 185-232, 2015-03-10

    法学新報編集委員会

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