給付付き税額控除による消費税負担の緩和効果について―世代内の負担格差を踏まえながら―
説明
従来の給付付き税額控除による逆進性緩和効果の分析は、世代内にある消費税の逆進性を正確に計測していなかったように思える。本稿では郵政研究所で調査された『家計における金融資産選択に関する調査(平成16年度)』の個票データから対数関数に基づき、各世代内の弾性値を推計している。そのうえで、一律の給付付き税額控除が導入されることにより、世代内にある消費税の逆進性がいかに緩和されるのかを実証的に明らかにしたつもりである。実証分析は2,734世帯を対象にして5%の税率で消費税が徴収されたケースと、消費税率を引き上げて給付付き税額控除を行ったケースとがほぼ同額の税収であることを想定して分析を行っている。分析の結果、一律の給付付き税額控除が導入されることで20から40代にかけて世代内にある消費税の負担が比例的なものとなり、消費税の逆進性が緩和されることが分かった。
収録刊行物
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- 中央大学経済研究所年報
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中央大学経済研究所年報 43 21-43, 2012-09-28
中央大学経済研究所
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050282677701243904
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- ISSN
- 02859718
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB