子供の貧困・その背景に関する人口学的考察

抄録

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貧困と人口は,人口学にとり古くて新しく,かつ永遠のテーマである。人口学の祖であるマルサスの人口論も,貧困の背景に人口の増加があることを論じている。わが国では,少子化状態が続く中にあり,子供の貧困が社会的な話題となっている。少子化社会であり,世界経済第3位の経済大国を誇る国なのに,子供の貧困が社会問題視されるという,異常な状態が続いている。近年では,政府も政策的な動きを示し,2013年の「子どもの貧困対策の推進に関する法律」の規定により,2014年に「子供の貧困対策に関する大綱について」が閣議決定された。本稿では,わが国の将来を担う子供の貧困に関して,その背景について,人口の推移と生活価値観の変化に伴う家族・世帯構成の変化など,子供たちに社会環境の変化が及ぼした要因を,人口学的な側面から探ることとしている。

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