社会科学の転換と近代西欧文明 : デジタル社会と現代アジア

書誌事項

タイトル別名
  • シャカイ カガク ノ テンカン ト キンダイ セイオウ ブンメイ デジタル シャカイ ト ゲンダイ アジア
  • Transformation of Social Science and Modern Western European Civilization : Digital Society and Contemporary Asian Society

この論文をさがす

説明

本稿では,今日盛んに行われているデジタル社会をめぐる議論と広範に浸透している「マクドナノレド化」現象をまず取りあげ,その特徴を考察し,つぎに現代社会の諸問題の根底にある「近代西欧のパラダイム」の意味を問うことによって,最後にそのパラダイムと現代アジアの経済社会や社会科学との関係を考察した。結論は以下の7点である。(1)デジタル社会論や「マクドナルド化」現象には,共通の「穏された前提」があること。 (2)その「隠された前提」は,近代世界を支配した近代西欧文明が生み出した科学観や歴史観であること。(3)現代社会の諸問題の根本原因は,専門知(部分知)の体系としての近代西欧科学技術や歴史を一元的に解釈する西欧中心史観にあること。(4)したがって,今日の諸問題の解決のためには,「近代西欧のパラダイム」から自由になる必要があること。(5)そのことが,デジタル社会論で強調される時間(近代)と空間(西欧)の拘束から解放されるということの真の意味であること。(6)とりわけ,非西欧圏としてのアジアの経済社会を考える際に,近代西欧を絶対化する科学観や歴史観の弊害が大きいこと。(7)それゆえ,社会科学も今日大きな転換点にあるし,実際転換しなければならないこと。以上である。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ