「大きな社会」と英国財政 : 概要・評価・展望

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タイトル別名
  • 「 オオキナ シャカイ 」 ト エイコク ザイセイ : ガイヨウ ・ ヒョウカ ・ テンボウ
  • Big Society' and the fiscal situation in UK : overviews, evaluations and prospects

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抄録

本稿では、2010年5月に発足した英国連立政権が取り組む「大きな社会」構想を取り上げ、その特徴を明らかにしている。大きな社会は、自由民主党と連立政権を組む保守党が、労働党から政権を奪還するために2009年に提唱した構想である。これは、人々が政府の提供する公共サービスよりも、コミュニティにおける支え合いを重視して生活できるように、政府の役割を公共サービスの提供から、そうした支え合いを支援する役割へと変革させようとするものである。英国では政府による生活への過度の介入を好まない考え方が根強く、大きな社会構想に対する評価は一定高い。その一方で、大きな社会における新たな政府の役割とは具体的に何かがはっきりしないまま、先行的に公共サービスから財政資金が引き揚げられる事態となっている。こうした限界を乗り越えて大きな社会構想を着実に実現するためには、コミュニティの担い手を育成することが必要不可欠である。

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