R&Dと生産性 : 資源の再配分効果

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タイトル別名
  • R&D ト セイサンセイ : シゲン ノ サイハイブン コウカ
  • R&D and Productivity: the effects of resource reallocation

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抄録

本稿では、わが国の株式上場企業4,490 社に関する11 年間(2001 年-2011 年)のデータを用いて、 生産関数の推計と各企業における生産性の計測を行った。生産性を計算する際には、R&Dの影響を明示的に組み入れた実証モデルを用いた。推計結果を要約すると次のようになる。R&Dを行う企業の生産性は、R&D を全く行わない企業の生産性に比べて、 平均値・分散・累積分布のいずれの点でも上回る。これは、R&D が、企業の生産性自体を向上させるとともに、 企業間の生産性格差-R&D 実施企業とR&D 非実施企業との格差と、R&D 実施企業間の格差の両方-を拡大させることを示唆する。また、集計生産性を分解すると、最近10 年間の生産性においては、資源の再配分効果が大きな比重を占めていることが明らかとなった。そして資源の再配分効果は、 R&D 非実施企業からR&D 実施企業へだけでなく、 R&D 実施企業内でも活発であることがわかった。

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