統計的差別、結婚市場と男女の雇用、賃金格差

Bibliographic Information

Other Title
  • トウケイテキ サベツ ケッコン シジョウ ト ダンジョ ノ コヨウ チンギン カクサ
  • Statistical discrimination, marriage markets, and gender differentials of wage and employment

Search this article

Description

本稿では、熟練労働に適した雇用の数が制約された経済における男女間の賃金格差を理論モデルにより考察した。統計的差別の理論によると男性の平均教育水準や技能水準が女性より高い場合、熟練労働に適した仕事が男性に優先的に割り当てられる可能性がある。 したがって、雇用機会が限られた状況下での仕事の増加は、女性ではなく男性の教育・技能取得を誘発する。しかし、仕事の数が十分大きくなると、女性にも熟練労働に適した仕事の雇用機会が増加し教育・技能への投資が誘発される。 この場合の人的資本への投資は、労働市場での要因に加え結婚市場の競争効果によって加速される場合 があることを論ずる。最後に、熟練労働に適した雇用機会がさらに拡大すると女性の教育・技能取得も一段落するが、そのときでも男女間の賃金格差は残ることを示す。理論モデルからは、発展段階初期には男性の高学歴者、熟練労働者が増加すること、その後に女性が大幅に高学歴化、社会進出すること、成熟した先進国の間でも男女間賃金格差が存在し続けることが説明可能である。

Journal

Related Projects

See more

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top