中国延辺朝鮮族の中等教育における日本語教育の展望

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  • チュウゴクエン ヘン チョウセンゾク ノ チュウトウ キョウイク ニ オケル ニホンゴ キョウイク ノ テンボウ

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抄録

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中国の中等教育における日本語教育は、1972年の日中国交正常化以降、東北三省(遼寧省・吉林省・黒龍江省)と内モンゴル自治区を中心に始められ、現在でも中等教育学習者の90%以上が上記の地域に集中している。同地域は歴史的な影響で日本語を身につけた者が多い一方で、英語教師が不足していたこと、少数民族の大学入試システムによる負担軽減などの理由から日本語教育が盛んな地域である。1970年代後半には、延辺の朝鮮族中学校ではほぼ100%の割合で外国語科目として日本語が選択されていた。 しかし、1990年代に入り、中等教育機関における日本語学習者数は急激に減少していて、延辺における日本語教育は停滞している。一方で、英語学習者数は年々増加していて、現在同地域のほとんどの中学校では外国語の授業は英語しか行われていないのが現状である。 本稿では延辺龍井市の中等教育機関における日本語と英語の学習者に対してアンケート調査を実施し、その結果について分析を行う。同時に70年代、80年代の日本語ブーム時の学習者と比べ学習者や学習環境にどういう変化が見られたか考察を行う。また、龍井高級中学が2007年に新たな試みとしてスタートさせた日本語ゼロクラスで、一から日本語を習った学生の3年後の大学入試結果についても報告を行う。

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