<名所案内><旅行案内>と文学史蹟 二

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タイトル別名
  • "Guides to Historic Sites", "Travelers' Guide Books" and Literally Historic Sites (2)

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抄録

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前稿に引き続いて、一九〇〇年頃から後の〈案内記〉(『鉄道名所案内』や『鉄道旅行案内』など)について、そのなかの文学関連の名所(歌枕類)・史蹟などに関する記述を検討する。鉄道が通じたから出掛けられるようになったと見なせる女性・和田むめの『漫遊之友』、修学旅行での利用を当て込んだ『日本全国巡遊 学生/遠足 修学旅行案内』など、旅行の大衆化に向かう時代の中の〈案内記〉を通覧する。また観光や出版──人や物の移動──などに影を落とす日露戦争後の社会変動が〈案内記〉の記述にどのように現れていたかにも触れる。 また、自然主義小説の旗手の一人で、紀行文学の大家とも呼ばれるようになる田山花袋の〈案内記〉の荒っぽさ、判型を含め趣向を凝らした〈案内記〉の登場などを概観する。そのような民間の〈案内記〉出版に対抗する形で、鉄道国有化後の鉄道院が立て続けに刊行した〝国営〟の〈案内記〉の文化的位相も検討する。

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