中国雲南省麗江盆地の地形-地質構造と盆地形成メカニズム
書誌事項
- タイトル別名
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- Geomorphic-geologic structure and formative mechanism of the Lijiang Basin, Yunnan Province, China
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抄録
雲南省北西部の大理-麗江地区は青蔵高原から雲貴高原への移行部にあたり,山間盆地が集中して分布する。それらのうち最北部に位置する麗江盆地の形成メカニズムが,地形-地質特性,活断層,および広域活構造にもとづいて解明される。麗江盆地および周辺域には8条の活断層が認定され,南-北方向の活断層には縦ずれ変位が,北東-南西方向の断層には左横ずれ変位が,それぞれ卓越する。共存するこれらの活断層が示す応力場は,σ3 = E-W,σ2 /σ1 = N-S/鉛直, [σ3]<[σ2]~[σ1]である。すなわち,σ1 が鉛直方向にある期間には地溝が形成され,σ1 が水平方向にある期間には横ずれ変形が進行して,麗江盆地および周辺域の変動地形が形成された。広域活構造の解析結果は,大理-麗江地区の山間盆地群が,北北西-南南東方向の右横ずれmaster faults(中甸および紅河-哀牢山断層系)の右 stepping に生じた大規模プルアパート盆地(幅100km,長さ75km)中に形成された地溝群であることを示す。プルアパート盆地の形成にかかわる広域応力場としては,北北西-南南東方向のσ1 および東北東-西南西方向のσ3 が想定される。麗江盆地周辺における応力方位の転換は,プルアパート盆地内部への広域応力場の直達(横ずれ変形時相)と,その結果生じるmaster faults の変位によるプルアパート盆地の伸長(地溝形成時相)に由来する可能性がある。
収録刊行物
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- 京都大学防災研究所年報. B
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京都大学防災研究所年報. B 48 (B), 279-296, 2005-04-01
京都大学防災研究所
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050282810507701248
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- NII書誌ID
- AN00027784
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- ISSN
- 0386412X
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- HANDLE
- 2433/26510
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB