1990年代のインド洋ダイポールモードにおける大気海洋間相互作用の果たす役割の弱さについて

HANDLE オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Weakness of the Air-Sea Thermal Coupling during Indian Ocean Dipole Mode in the 1990s

この論文をさがす

抄録

観測データと4次元結合同化システムの結果を用いて,インド洋ダイポールモード(IOD)発生時の東極の水温構造の変化を調べた.熱収支解析の結果,インドネシア沿岸域の水温偏差が湧昇の影響で変動している可能性が強まった.正のダイポール年において海上風偏差は全域で正偏差であったにも関わらず,沿岸域の海面熱フラックスが水温偏差を解消する方向に働いていた.これは沿岸湧昇による水温変動が潜熱フラックスに支配的に働いたためと考えられ,ダイポールモード発生時の実際の水温変動過程は領域平均の解析から得られた描像とは異なっている.IODの発生機構については,沿岸湧昇に加えて潜熱フラックスによって生じる海面水温偏差の重要性が特に指摘されてきたが,このような大気海洋が非断熱的に結合した正のフィードバック過程の働きは,従来考えられていたよりも弱い可能性が出てきたといえる.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050282810670493696
  • NII論文ID
    120002515025
  • NII書誌ID
    AN00027784
  • ISSN
    0386412X
  • HANDLE
    2433/129275
  • 本文言語コード
    en
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles

問題の指摘

ページトップへ