久保田信所蔵標本の外来海洋動物:1980年代の分布を主として

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タイトル別名
  • Non-indigenous marine animals collected by Shin Kubota in and around 1980s
  • クボタシンショゾウ ヒョウホン ノ ガイライ カイヨウ ドウブツ : 1980ネンダイ ノ ブンプ オ シュトシテ

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抄録

著者の一人、久保田信が、1980年代とその前後に、北海道を主としながらも全国各地で採集し、個人的に保管していた二枚貝標本の中の外来海洋生物を調査した。その標本は、久保田が海産二枚貝の殻内に片利共生するカイヤドリヒドラ類の研究のために採集したものである。同定の結果、その標本の中には、4種の外来生物が発見された。二枚貝ムラサキイガイ Mytilus galloprovincialis Lamarck,1819と、二枚貝の殻の表面に付着していたフジツボ3種、タテジマフジツボ Amphibalanus amphitrite(Darwin,1854)、アメリカフジツボAmphibalanus eburneus(Gould,1841)、ヨーロッパフジツボ Amphibalanus improvisus(Darwin,1854)である。また、こういった外来種との交雑や競合によって分布が縮小したと考えられる2種の在来種、キタノムラサキイガイ Mytilus trossulus Gould,1850とサラサフジツボ Amphibalanus reticulatus(Utinomi,1967)もその標本に含まれていた。1980年代とその前後は、こういった海産外来生物の分布に関する記録がかなり少ない時期にあたり、特に北海道での分布記録はこれまでとても少ない状況にあった。従来の分布記録と久保田信標本によって得られた情報を加えて、上記の各種の、過去から現在に至る分布拡大の様相を明らかにし、考察を加える。

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