協働的な学習に関する類型論の到達点と課題 --協同学習・協働学習に基づく実践の焦点化と評価のために--

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  • 福嶋, 祐貴
    日本学術振興会特別研究員・教育方法学講座博士後期課程3回生

書誌事項

タイトル別名
  • Achievements and Challenges of Typology of Peer Learning: Assessment in Practices Based on Cooperative Learning and Collaborative Learning
  • キョウドウテキ ナ ガクシュウ ニ カンスル ルイケイロン ノ トウタツテン ト カダイ : キョウドウ ガクシュウ ・ キョウドウガクシュウ ニ モトズク ジッセン ノ ショウテンカ ト ヒョウカ ノ タメニ

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抄録

本稿では、協同学習と協働学習とを分類するという類型論について、実践の焦点を定め、評価を行っていくという実践的課題を念頭に置きながら、その到達点と課題を検討する。まず、類型論として最も多く見られる単純な二分法が、明晰さに欠ける、あるいは分類対象が不明確であるという問題点を孕んでいるということを示す。次に、主に協同学習研究者によって多元的な類型論が提唱されてきたことを示し、その意義と課題を検討する。最後に、そうした成果をもとにオドネル(Angela M. O'Donnell)が作り上げた分類表を到達点として位置づけ、その意義と改善の方向性を考察する。多様なニーズへの対応を問題意識とするオドネルによる類型論は、協働的な学習のメカニズムを説明する理論的観点としても、教師が実践を組み立てていくための手引きとしても有用なものである反面、枠組みの再検討、集団論および集団の目標という観点の欠如という課題が残されている。

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