ss浸潤胆嚢癌の病理診断

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ss浸潤胆嚢癌の病理診断について, RAS内進展癌(m-RASss)との鑑別を中心に記載した. RAS内進展癌は上皮内癌と考えられ, その組織学的特徴は粘膜固有層と同質のRAS周囲物質を伴っている点にある. RAS周囲間質は細網線維と線維芽細胞, 弾性線維などが混在した疎性結合織よりなり, RASを層状に取り囲む. 比較的規則的に分布する毛細血管を豊富に含んでおり, 粘膜と同程度のリンパ球浸潤がみられる. RAS内進展癌はこれらの特徴を保ち, 時に上皮のfront形成がみられる. 浸潤癌では腺管周囲間質の線維増生(desmoplasia)がみられ, 漿膜下間質との境界が不明瞭となる. 脈管侵入の有無や基底膜, 周囲間質の変化をみるには特殊染色や免疫染色も有用である. その他, 両者の鑑別には, 肉眼像や組織の全体像, 癌腺管の形態や, 深さなど総合的に判断することが大切である.

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