19世紀後半期におけるイギリス南西部非鉄金属鉱山への投資収益

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タイトル別名
  • 19セイキ コウハンキ ニオケル イギリス ナンセイブ ヒテツ キンゾク コウザン エノ トウシ シュウエキ
  • 19seiki kohanki niokeru Igirisu nanseibu hitetsu kinzoku kozan eno toshi shueki

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19世紀末以降隆盛を見る海外鉱山投資以前において,ロンドンはすでに国内金属鉱山投資の要としての役割を果たしていた。海外鉱山投資についての収益率の計算はあるが,国内鉱山投資の収益率を,とくに投資家の意思決定の視点から述べたものは少ない。投資効率を測定する内部収益率を使って,19世紀後半期,急激な衰退を迎える直前までの国内非鉄金属鉱山業の株式への投資がどの程度の収益率を残したかを,鉱山投資に関わり想定されるキャッシュ・フローを再現し,主要鉱山について計算する。この結果,この地方の鉱山株式は,わずかの例外を除いて,長期保有による配当期待ではなく,売買によってゲインを得る投資対象として見られていたとの仮の結論を得た。国内鉱山業者の「保守的態度」の背景にはこのようなこともあったと推測できる。今後,海外鉱山投資との収益性比較とともに,ロンドン市場を通じた取引が産業としての国内の鉱山業に与えた影響の究明が課題となる。

故玉置紀夫教授追悼号

収録刊行物

  • 三田商学研究

    三田商学研究 48 (5), 129-146, 2005-12

    慶應義塾大学出版会

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