生産における規模の経済性の測定法 : 指数論的接近による方法論

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タイトル別名
  • セイサン ニ オケル キボ ノ ケイザイセイ ノ ソクテイホウ シスウロンテキ
  • A Method for Measuring the Scale Elasticity : An Index Number Approach

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抄録

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この論文の目的は,規模の経済性の判定尺度である規模弾性の測定に関して,従来の方法とちがった角度から接近することにある。従来の方法との相違は,生産関数や費用関数の関数型の特定化(たとえば,ダグラス型,CES型,トランス・ログ型,尾崎型等)を経ないで,直接規模弾性を導き測定するところにある。具体的には,特定化されないホモジニアス生産関数の前提から,規模弾性の上限,下限の測定方法が示される。この方法はクロスセクションの2つの標本によるラスパイレス,パーシェの生産要素数量指数によって翻訳されそれぞれが下限値,上限値を導く。この方法には主として次の利点がある。第1に,より広い前提から規模弾性が誘導されることは,その信頼度を増す。特に各種生産要素投入量が相互に高い相関を示す資料では生産要素等量曲面の推定が難しいわけであるから,この方法は有効である。第2に,生産要素の質の違いを詳細に分割した場合,生産関数の推定は標本の自由度等で大変困難となる。したがってこの場合従来の方法で規模弾性を推定することは不可能にちかい。その点,ここで展開する方法は,非常に容易に規模弾性の情報をえることができる。

収録刊行物

  • 三田商学研究

    三田商学研究 27 (1), 33-43, 1984-04

    東京 : 慶応義塾大学商学会

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