麻疹ウイルスupdate : 分子ウイルス学と麻疹撲滅に向けて

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タイトル別名
  • コウザ マシン ウイルス Update ブンシ ウイルスガク ト マシン ボクメツ ニ ムケテ
  • ハシカ ウイルス update : ブンシ ウイルスガク ト ハシカ ボクメツ ニ ムケテ
  • hashika uirusu update : bunshi uirusugaku to hashika bokumetsu ni mukete

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抄録

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麻疹は,発熱,上気道のカタル症状,全身の発疹を主症状とする小児期の急性ウイルス感染症で,肺炎.脳炎を合併し低開発国では致命率の高い疾患である.麻疹はワクチン接種を拡大することで撲滅可能な疾患でアメリカでは既に撲滅され発症する麻疹は日本,中国,ヨーロッパ等からの輸入感染である.麻疹ウイルスの分子疫学調査から麻疹の伝播経路を知ることが可能となり,麻疹排除のためには世界中が歩調をそろえた麻疹対策が必要となる.日本以外の先進国では2回接種を行っており,我が国でも2006年から麻疹・風疹二混ワクチンの2回接種法に移行することになった.麻疹ウイルスが初めて分離されて50年たつが,その病原性,麻疹ワクチン弱毒化のメカニズム等未だ解明されていない事も多い.麻疹ウイルスRNAをcDNAに変換し感染性ウイルスを回収するreverse geneticsを確立し,分子生物学なアプローチによりウイルスの性状,病原性が解明されつつある.また,麻疹ワクチンウイルスの遺伝子の中に外来遺伝子を導入し,組換え麻疹ウイルスワクチンを作成し新規ワクチンの開発をめざしている.

講座

収録刊行物

  • 慶應医学

    慶應医学 83 (4), 241-250, 2006-12

    慶應医学会

参考文献 (35)*注記

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