記憶による過去の清算と克服 : ミロ・ドールによるヨーロッパの架橋の構築

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タイトル別名
  • Coming to Terms with the Past by the Means of Memory : Milo Dor’s contribution to the construction of a interdependent relationship for Western, Central and Eastern Europe
  • キオク ニ ヨル カコ ノ セイサン ト コクフク ミロ ドール ニ ヨル ヨーロッパ ノ カキョウ ノ コウチク

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抄録

本論考では,ある意味で最も典型的な「中欧ヨーロッパ人」といえるミロ・ドール(1923 - 2005)がたどった人生と,彼が創作してきた作品群をとおして,ドールの汎ヨーロッパ文化への貢献の足跡をたどる。  日本ではほとんど知られていない作家なので,本論ではまずミロ・ドールの略歴を紹介し,作家としてのドールに関しては彼の代表作である『思い出のほかに何もなし』,『休暇中の死者たち』,および『白い町』の解釈を通して作品の意義を考察する。あわせて,作家としてのド-ルのヨーロッパの各地域間の相互交流への貢献についても考察する。  ドールの政治分野での活動も重要なので,作家としてのドールと関連付けて,彼のベルグラードでの親ナチ・セルビア王政への抵抗運動も紹介する。さらにウィーンに定住してからのドールに関しては,より大きな「故郷」を求め,さらに自らのよって立つアイデンティティーの根拠を求めての彼の作家活動と政治的行動を相互に関連させつつ考察する。

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