フランスで「同一価値労働同一賃金」原則は実現しているのか? : フランスの実態と課題
説明
本稿は、フランスにおいて「同一価値労働同一賃金」の原則が実現しているのか、その実態と課題を考察したものである。フランスにおいては、1990年代から2000年後半にかけて、「同一価値労働同一賃金」の原則が成立しているかどうか見る指標となる「男女賃金格差」が縮小することがなかった。そのため、法的な規制を強化してきた経緯がある。2009年以降、男女賃金格差は縮小傾向にあるが、性に中立的で客観的な職務分析・職務評価を実践するための議論が十分なされてきておらず、異なる職域における「同一価値労働同一賃金」の進展が遅い。また、いわゆる説明不可能な差別的な男女賃金格差が解消したとしても、職業上の男女平等が達成されたとは言えないことから、フランスでは「同一価値労働同一賃金」原則以外にも多面的な男女平等政策を促進させる必要性が認識されている。
収録刊行物
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- 京都産業大学経済学レビュー
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京都産業大学経済学レビュー 4 75-94, 2017-03
京都産業大学通信制大学院経済学研究会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050282812395398528
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- NII論文ID
- 120006029709
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- ISSN
- 21880697
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- HANDLE
- 10965/1404
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles
- KAKEN