蜂蜜による好中球の抗腫瘍作用と貪食機能への影響

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タイトル別名
  • Effect of honey on anti-tumor activity and phagocytosis in neutrophils
  • ハチミツ ニ ヨル コウチュウキュウ ノ コウシュヨウ サヨウ ト ドンショク キノウ エ ノ エイキョウ

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説明

蜂蜜は、天然に生産される保存性の高い食品として親しまれているが、創傷治癒などの伝統的な薬としても世界各国で利用されている。また、蜂蜜には免疫作用として好中球遊走を促進することが知られている。好中球は抗腫瘍活性を示すことが知られているが、蜂蜜の好中球を介する抗腫瘍作用についての報告は非常に少なく、詳細な解明はされていない。そこで、蜂蜜による好中球の抗腫瘍作用と貪食機能への影響について検討した。抗腫瘍作用の指標のLL/2腫瘍増殖体積は、コントロール群と比較して蜂蜜2mg、20mg投与群で有意な減少を示し、蜂蜜に抗腫瘍作用が認められた。蜂蜜投与によるLL/2腫瘍移植マウスの末梢血白血球のDot Plot は、FSC値200~600、SSC値400~960に正常マウスには認められない細胞集団が出現し、Gr‒1陽性細胞比率の増加から、この細胞集団は好中球であることが認められた。好中球の出現が認められたため、好中球の抗腫瘍活性について検討した。LL/2腫瘍細胞増殖に対してコントロール群、蜂蜜投与群の好中球は有意な増殖抑制を示し、好中球に抗腫瘍活性があることが認められ、また蜂蜜20mg投与群でコントロール群と比較して有意な腫瘍増殖の抑制を示した。これらの結果より、好中球にLL/2腫瘍細胞に対する抗腫瘍活性があることが認められ、その抗腫瘍活性は蜂蜜投与により増強されることが認められた。好中球の貪食機能は、腫瘍移植マウスで有意な増強が認められた。以上より、蜂蜜が好中球を介して抗腫瘍作用を示したことから、蜂蜜の癌治療への応用が期待できる。

Honey is used as a traditional medicine for colds, skin inflammation but not edible. We previously reported that honey enhanced immune functions of neutrophils. However, the effects of honey on anti-tumor activity and phagocytosis in neutrophils are not fully understood.Therefore, we investigated the anti-tumor activity and phagocytosis of neutrophils by honey in this study. Tumor size as indicator of anti-tumor activity was significantly inhibited by honey administration compared with control. Dot plot of peripheral blood leukocytes was changed at FSC and SSC values by LL/2 tumor. Neutrophils of Gr‒1 positive cells were increased in LL/2 tumor bearing mice. Anti-tumor activities of neutrophils were significantly augmented by honey administration compared with control. Phagocytosis of neutrophils was enhanced in tumor bearing mice. These results suggest that honey poses a possibility for use as anti-cancer therapy.

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