ハイデガーの良心論 責任への促しとしての良心の呼び声

Bibliographic Information

Other Title
  • ハイデガー ノ リョウシンロン セキニン エ ノ ウナガシ ト シテ ノ リョウシン ノ ヨビゴエ
  • Heideggers Denken über das Gewissen : Der Gewissensruf als Aufforderung zur Verantwortlichkeit

Search this article

Description

type:Article

ハイデガーは、世人へと自己を喪失している現存在も自己固有のあり方ができることを 証すために、良心の分析を行っている。最も固有な存在しうることへと促す契機として、 彼が提示したのは良心の呼び声である。良心の声とは違って、良心の呼び声は行為をめぐ って叱責や警告を行ったりせず、ただ沈黙という様態をとって自己から発して自己に向け て呼びかけるだけである。そのため、ハイデガーの良心論は一見、他者に無関心であるか のような印象を受ける。しかし、彼は個々の行為の善し悪しではなく、責任を引き受ける 担い手としての固有の自己のあり方を問題としているため、そのように見えるにすぎない。 固有の自己といえども、他者と共同存在しているのであり、他者から切り離して論じるこ とはできない。ハイデガーは良心を論じるにあたり、他者に対する負い目や責任も併せて 触れている。彼の良心論には、他者論も含まれている。

identifier:奈良県立医科大学看護短期大学部紀要 Vol.8 p.48-59

identifier:13440810

identifier:http://ginmu.naramed-u.ac.jp/dspace/handle/10564/1426

identifier:奈良県立医科大学看護短期大学部紀要, 8: 48-59

Journal

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top