山中・海南漆器産地の近代化に関する研究 : 近代漆器への移行における比較研究
抄録
漆器素地は昭和30年頃までは、木製というのが一般的であった。ところが、石油化学技術の発展とともに、次第に化学塗料などを塗付したプラスチック素地の漆器(本稿では以降これを「近代漆器」と呼ぶことにする)が大量に普及するようになった。他産地に先駆けて近代漆器生産をリードしたのが海南、山中、会津産地であった。もともと、これらの産地は生産高においてトップ集団を形成していたが、近代漆器生産により急激に成長していく。なかでも、突出した生産高を実現していったのが山中産地である(図1)。本小論は近代漆器への移行がどのようになされたのか、その後の山中産地の競争優位性は何によってもたらされたものなのか、その成長はなぜ持続可能だったのかを、当初近代漆器のトップランナーに位置していた海南産地と対比し考察することにより、今後のさらなる研究に向けての予備的な知見を得ることを目的とする。
identifier:https://dspace.jaist.ac.jp/dspace/handle/10119/10337
収録刊行物
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- 北陸地域研究
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北陸地域研究 2 (1), 38-49, 2010-03
北陸先端科学技術大学院大学 地域・イノベーション研究センター
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050282812515039360
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- NII論文ID
- 120003825017
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- Web Site
- http://hdl.handle.net/10119/10337
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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