書誌事項
- タイトル別名
-
- Surrealism and Gnosticism in André BRETON
- アンド レ ・ ブルトン ニ オケル シュルレアリスム ト グノーシス シュギ
この論文をさがす
説明
アンドレ・ブルトンは最後のシュルレアリスム宣言として捉えられる『吃水部におけるシュルレアリスム宣言』の結論部分において、シュルレアリスムとグノーシス主義の目指すところが一致していることを指摘している。確かにシュルレアリスムの神秘主義的なところもブルトンのテキストから明らかに指摘されるのであるが、シュルレアリスムとグノーシス主義が大きく分かれるところは、前者が現世において特に愛によって幸せを獲得しようとしているのに対して、後者は物質的世界=肉体的世界を悪の世界として否定していることにある。またブルトンは階層秩序的二項対立を否定するのに対して、グノーシス主義は肉体と精神のプラトン的二項対立をその根本に据えているのである。しかしながらブルトンの目指す超現実とは実体を欠いた記号空間にすぎないこと、またブルトンが求めるシュルレアリスム的精神の一点とは、まさにグノーシス主義における救済の如く、身体内で見出す真の知であることから、シュルレアリスムとグノーシス主義は同じ方向を目指していると理解されるのである。
収録刊行物
-
- 四天王寺大学紀要
-
四天王寺大学紀要 (64), 101-132, 2017-09-25
四天王寺大学
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1050282812546523392
-
- NII論文ID
- 120006350850
-
- NII書誌ID
- AA12361318
-
- ISSN
- 18833497
-
- NDL書誌ID
- 028612674
-
- 本文言語コード
- ja
-
- 資料種別
- departmental bulletin paper
-
- データソース種別
-
- IRDB
- NDLサーチ
- CiNii Articles