無水乳脂肪の分別画分の性状と分別条件の検討

書誌事項

タイトル別名
  • ムスイニュウシボウ ノ ブンベツ カクブン ノ セイジョウ ト ブンベツ ジョウケン ノ ケントウ
  • An examination of the conditions for the melt crystallization process of milk fat and the characteristics of milk fat fractions

この論文をさがす

抄録

application/pdf

無水乳脂肪を最終温度23℃で1段階自然分別して、ヨウ素価27で軟化点41.1℃の結晶画分(HF1)を24%の収量で得た。次いで、液状画分(SF1)に対して2段階分別を行い、分別物の収量と性状に及ぼす初期温度、最終温度および撹拌速度の影響を検討した。初期温度18℃と30℃の条件で比較すると、後者では不定形の大きな結晶(50μm程度)のみが析出して濾過が存易であった。得られた結晶画分(HF2)は、固体脂指数が高く、また1段階分別で得られたHF1に次ぐ高い軟化点を有していた。SFlを冷却すると、12.5℃で温度が下がらない「hold状態」になり、500μm程度の不定形結晶と小さい150μm程度の球形結晶が得られた。それより少し高い温度(13℃)に設定すると、小さい球形結晶(100μm程度)のみが大量に生じた。この場合、濾過が困難であったがHF2の収量は43%と高かった。ヨウ素価から判断すると、得られたHF2は12.5℃の条件と比べて融け易い性状であった。これは、中融点性のトリグリセリド種がより多く液状画分からHF2へと移行したことによると考えられた。撹拌速度については、速い条件(50rpm)でも遅い粂件(28rpm)でも細かい結晶(50~100μm)が析出し、濾過効率の面から中間速度(43rpm)が適当であった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ