かぼちゃの調理性

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タイトル別名
  • カボチャ ノ チョウリセイ

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抄録

type:P(論文)

日本かぼちゃと西洋かぼちゃの各々に適した調理法を知るため,煮物,蒸し物,スープ,パイを取り上げ,性状の変化,糖量・色の測定,組織の観察等から比較検討を行い,次の様な結果が得られた。1) 煮物において,日本かぼちゃは煮崩れが少ないが,西洋かぼちゃは煮崩れし易いので,調味時期の工夫等が必要と思われる。また,検鏡の結果,日本かぼちゃと比較して,西洋かぼちゃの細胞中の澱粉粒の数は多く,加熱により膨化して細胞膜を押し広げることがわかった。2) 加熱処理法としては,煮る方法より蒸す方法の方が全糖量を増加させ,また,加熱処理は,かぼちゃの色のうち赤味を増大させることがわかった。3) 加熱したかぼちゃを異なった処理法でスープとした時,西洋かぼちゃでは,ミキサー使用のものが有意に好まれ,裏漉し使用のものが有意に好まれなかった。日本かぼちゃでは,いずれの処理法でも有意差は見られなかった。これは,両かぼちゃの細胞の大きさと,細胞壁の強靱さに関係することが推測された。4) かぼちゃパイを作製する時,日本かぼちゃは,西洋かぼちゃと異なる新しい材料として取り扱った方が良い。ただし,材料配合や蒸気抜き等の工夫が必要と思われる。

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