カキの発芽期以降における花器の発育について(農学部門)

書誌事項

タイトル別名
  • カキの発芽期以降における花器の発育について
  • カキ ノ ハツガキ イコウ ニ オケル カキ ノ ハツイク ニ ツイテ
  • Studies on the development of floral organ in Japanese persimmon (cv. Hiratanenashi) after sprouring (Agriculture)

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抄録

カキ平核無の成木を用い, 発芽期より開花時までの花器(雌花)の発育過程を明らかにするため, 1973年4月初旬より組織学的な調査を行なった。その結果, 花の各器官はがく片, 花弁, 偽雄ずいおよび心皮の順に外側器官から分化形成された。それぞれの器官の発育をみると, 発芽時ではがく片および花弁の突起が観察されただけで, その他の器官分化は認められなかった。発芽時より5∿7日後には偽雄ずいおよび心皮の突起が分化し, 急速に各器官の発育が進み, 4月中旬には心皮突起の内側基部より胚珠の突起が分化しはじめた。4月下旬には珠心および珠皮が形成され, 珠心内で胚のう母細胞が分化した。その後花器の生長にともない, 開花のほぼ2日前に胚珠が完成した。また雄ずいは葯壁のみが形成され, タペート細胞および花粉は形成されなかった。以上のように, カキの花器は発芽時より各器官が分化し, 新梢の伸長にともない急速にその発育をとげ, 発芽時よりほぼ6週めで花器の形態が完成されることを認めたが, 他の果樹の花芽発育と比較して特異な発育を示した。

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