Coix 属植物の飼料作物化に関する育種学的研究 XVI : New Coix 系統の湛水条件下における形質発現について(農学部門)

書誌事項

タイトル別名
  • Coix属植物の飼料作物化に関する育種学的研究-16-New Coix系統の湛水条件下における形質発現について
  • Coixゾク ショクブツ ノ シリョウ サクモツカ ニ カンスル イクシュガク
  • Studies on the improvements by means of breeding of the genus Coix as fodder crops XVI : On the character manifestation of the New Coix strains grown under submerged field (Agriculture)

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抄録

栽培環境の変化に伴うNew Coix系統の形質発現の変異と形質間の相関の変動を検討するために, 供試系統を湛水田および畑で栽培し, 標準施肥の3倍量の多肥を与えて形質発現を解析した。水田, 畑両区における形質発現力の差異は, 形質の種類によって異なり, 草丈, 葉面積は施肥量に関係なく畑区がすぐれ, 分げつ数は逆に水田区で増加した。また多肥の効果は概して畑区で強く現われた。一般に環境変化による影響のうけやすい形質の発現力は大きい変動性を示した。水田区の形質発現力は畑区のそれに比べてやや劣るが, なおかなりの生産力を維持しており本系統の耐湿性はかなり強い。New Coix系統間の形質変動性は, 水田区では多肥により増大する形質が多いが, 畑区では逆に減少の傾向が認められた。全試験区を通じて, 草丈, 稈径, 葉厚, 葉面積および花粉稔性の変動性は小さく, 形質発現に安定性が認められる。草丈に対する茎葉諸形質の表現型相関は, 分げつ数を除きいずれの試験区においても高い有意相関を示しており, 遺伝相関はすべて表現型相関を上まわり概して環境相関は低い。草丈と分げつ数との間には, 雑種初期世代で認められたような負の相関は認められない。一般に, New Coix系統の高稈性と多収性にはかなり強い遺伝的関連性があることが推察された。

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