森鷗外と『金瓶梅』

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タイトル別名
  • A Comparative Study of Mori Ougai and The Kinpeibai

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抄録

『金瓶梅』は、明の万暦年間中頃に書かれた長編小説である。正保元年に日本に入り、儒者の間に流行した。優れた漢学素養をもつ森鷗外が、その『金瓶梅』にいかに影響され、また、どのようにそれを作品創作に生かしたのかを考えるのが小論の目的である。三好行雄氏をはじめとする先行研究では、森鷗外の『雁』と『金瓶梅』のかかわりを、西門慶、潘金蓮、武大郎三者の関係を岡田、お玉、末造の関係に見立てているが、そこから一歩踏み込んでの研究はされなかった。果たして、それは「見立て」の関係であるかどうかを考えなければならない。小論は鷗外のその他の作品をふれながら、比較文学見地から、『雁』と『金瓶梅』との関係をより綿密な考察によって、明らかにしていくものである。

収録刊行物

  • 日本語日本文学

    日本語日本文学 (24), 29-43, 2014-03-20

    創価大学日本語日本文学会

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