福島と東京における降下物に含まれる放射性セシウムの経時変化 : 学校理科の教材にするために

書誌事項

タイトル別名
  • Monthly change of the ^<137>Cs included in radioactive fallout after the first Fukushima nuclear plant accident : Use data of radioactive fallout for science education
  • フクシマ ト トウキョウ ニ オケル コウカブツ ニ フクマレル ホウシャセイ セシウム ノ ケイジ ヘンカ : ガッコウ リカ ノ キョウザイ ニ スル タメニ

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抄録

北半球では放射性核種の降下量は太平洋側では春に増大するが,放射性セシウム137の場合,現在は福島では1~2月に極大となり,7~10月にかけて極小になっている。1980年3月からのデータでは,東京と福島の間には同位相傾向(両地域とも放射性核種の降下量が春に高い)が見られた。2011年3月以降になると,このような同位相傾向が見えにくくなることがわかった。福島で生じた1~2月の極大は原発事故以前にはみられなかったものであり,原発事故による2011年3月中旬から放射能の大放出後気象的な自然現象のピーク(極大や極小の月)が変化したと考えられる。降下物中の放射性物質の経時変化の分析は,空間線量率の継続的測定などと組み合わせれば,原子力と人間の関わりの考察にもつながり,科目「理科課題研究」における自然環境の調査として十分な教材になると思われる。

収録刊行物

  • 教育学論集

    教育学論集 (65), 73-82, 2014-02-16

    創価大学教育学部・教職大学院

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